ブックレビュー:金持ち父さん 貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学

画像引用元:筑摩書房公式サイト

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480864246/

高校すら卒業していないがハワイで最も裕福な人間の一人になった父(金持ち父さん)と、高い教育を受けたが死ぬまでお金に苦労した父(貧乏父さん)、著者はその2人の父の考え方に触れ、人間の考え方が人生に大きな影響を与えることに興味を持った。著者は9歳の時に金持ち父さんの考え方を選んだが、その金持ち父さんから得た6つの教えとそれを実践するための方法について、著者の体験を交えてまとめられた本である。

日本の書店に目立つように並んでいるような具体的な方法が手取り足取り書かれている内容ではなく、サブタイトルの一部である通り「お金の哲学」つまり考え方が紹介されている本である。本の中にも以下のように明記されている

「解答」ではなく「指針」として受け止めてほしい

「こうしてみたらいい」という提案ではない

日本では家族の中でさえもお金について話すことはタブーとされる風潮があり、学校や家庭ではこの本に書かれているような金融リテラシーを学ぶ機会は少ない。平易な日本語で、誰かに雇われてその対価としてお金を得ること以外にも手段があること、消費ではなく投資を意識してお金を使うことを学ぶことができた。

ここに出てくる金持ち父さんはいわゆる起業家のため、自営業の家庭に育っていない人や起業を考えていない人にとっては自分事した感覚を持つことが難しい箇所があるかもしれないが、それ以外はいわゆるサラリーマンとして働く人でも生活に取り入れ実践できる実感がありそうな内容である。

体験の部分はやや冗長な印象があるのと、全体的に同じような話が繰り返し出てくるのは少し気になった。